豊中本町の家

私が「建築の世界」に入る前従事していた会社の先輩ご家族の為の計画です。

敷地を購入される前からご相談があり、一緒に見に行かせていただきました。敷地は、豊中市豊中本町と言う閑静な住宅街の一角にあり、立地条件としてはご家族の希望を満たしていましたが敷地が変形しており高低差もあった為、建つのかどうか心配だったそうです。

最初は、ハウスメーカーの方達にもご相談されていたそうですが、このような敷地のため、敷地の大きさの割に小さな間取りしか取れず他の土地を勧められたそうです。ただ、ご家族としてはどうしてもこの土地をあきらめる事が出来ず、「何とかならないか?」と言う電話をいただきました。

私は、高低差を活かして地下にパーキングを造り、その屋根部分を人工地盤として、この住宅のテラス、コート部分として活用する案をご提案させていただきました。

案を気に入っていただき建築する事になったのですが、設計を進めていくと行政から厳しい要求が出たり、近隣の方達との協議もあり、なかなか大変な作業となりました。

また、工事に入るとこの場所がもともと個人のお宅の池の部分である事が判明(土地購入時には、説明はありませんでした。)急遽、地盤補強を実施。費用を捻出するため仕様の再検討をしたりと竣工迄色々な事がありましたが、本当に喜んでいただいて、今でもお会いするたびに「本当に良い家を有難うございます。今でも大好きです。」というお言葉をいただくと本当に嬉しく、これからも頑張ろうと奮い立たせてくれる思い出深いプロジェクトです。